Q1.発明とはどのようなものをいうのですか?
A1.特許法上の「発明」とは、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義されており(特許法第2条第1項)、簡単に言いますと、未だ世界に知られていない技術上の有用な提案のことです。発明にあたると思われるものがひらめきましたら、産学連携?知的財産センターまでお気軽にご相談ください。
なお、香川大学職務発明規程に定める「発明等」には、上記「発明」のほか、実用新案法上の「考案」、意匠法上の「意匠」、商標法上の「商標」、種苗法上の「品種」、著作権法上の一部の「著作物」等が含まれます。いずれも窓口は産学連携?知的財産センターですので、お気軽にご相談ください。
Q2.発明の届出は、どのような書類を、どこに提出すればよいのですか?
A2.「発明相談申込書」様式および記入例は、産学連携?知的財産センターのホームページからダウンロードできます。アイデアや発明等が発生しましたら、メールでご提出ください。 窓口は産学連携?知的財産センターになりますので不明な点がありましたら、お気軽にお尋ねください。
Q3.「発明相談申込書」の提出後はどのように取り扱われるのですか?
A3.発明相談申込書の受領 →発明内容ヒアリング →先行特許調査?活用性調査 →「発明等届出書提出」 →評価専門委員会 →帰属評価 →出願書類作成 →特許出願 のようなフローで取り扱われます(出願まで)。「 発明届出から権利帰属までのフロー」(PDF:207KB)をご参考にしてください。
Q4.発明者とはどのような人をいうのですか?
A4.以下のような判定基準で取り扱われます。
発明者になる人 | 発明者にならない人 |
①具体性のある着想を提供した者は、発明者となります。 ②課題解決のために、具体的な解決手段を提案した者は、発明者となります。 ③具体性のある解決手段を提供して発明を完成に導いた者は、発明者になります。 |
①単に課題を提示しただけでは、発明者になれません。 ②単に指示されてデータをまとめた者や実験作業を手伝った者は、発明者ではありません。 ③発明者に資金や設備等を提供しただけでは、発明者になれません。 |
Q5.発表が迫っているので、準備が間に合いません。発表後でも特許の出願は可能ですか?
A5.原則として、発明の内容の発表後は、その発明は新規性に欠けるため出願しても特許を受けることができませんが、発表後1年以内に所定の手続を行うことで、例外的に新規性を失わなかったものとして取り扱われる救済措置を受けられる場合があります(特許法第30条:新規性喪失の例外規定)。
ただし、日本をはじめほとんどの国は先願主義を採用しているため、第三者が同じ内容の発明を先に出願した場合には、後願となり特許を受けることができません。また、救済措置を設けていない国や地域(ヨーロッパ特許庁等)には、出願することができません。
発明が完全に保護されるためには、発表前の出願に優るものはありません。可能な限り、産学連携?知的財産センターにあらかじめご相談いただき、公知になる6ヶ月前までに「発明相談申込書」をご提出いただきますようお願いいたします。
詳しくは「研究成果等の発表に際して注意していただきたいこと」(PDF:102KB)もご確認ください。
Q6.MTAとは何のことですか?
A6.MTA(Material Transfer Agreement:研究材料提供契約)は、遺伝子、細胞、ノックアウトマウス(実験用動物)、実験用植物、抗体、材料(化合物)などの研究材料を、第三者(研究者)との間で授受する際に、研究材料の使用に関するとりきめを行う契約のことです。MTAは実際に研究材料をやりとりする研究者同士でなく、機関名義での契約です。特に、バイオ系研究ではアカデミア間の研究材料の授受が日常的に行われ、企業との授受も頻繁に起こっています。香川大学の方針としては、研究材料の授受に当たってはMTAを締結することを奨励しています。
Q7.なぜMTAを結ぶ必要があるのですか?
A7.MTAを締結することにより、資料を本学から提供する場合には、資料の帰属が本学にあることを明示できるとともに、資料を受領する場合にも、適切な取り扱いで資料を使用できることを提供側機関に証明できることとなります。
MTAの締結によって、
? 学提供の研究材料に係る所有権や知的財産権の留保や、提供先の研究材料の不適切な使用により、第三者に損害が及んだ場合の免責など、研究材料についての損害に対する防衛という役割が図れます。
?提供先から研究の成果に対して不必要な制限をかけられないようにするなど、研究の自由についての制限に対する防衛という役割が図れます。
?本学帰属の研究材料と他機関提供の研究材料との峻別が容易になり、論文発表、特許出願時における権利関係の把握が容易になります。
?特に重要な観点としては、研究資料の譲渡譲受が適切に行われることで、当該研究分野の研究コミュニティが拡がり、ひいては、当該分野の研究活動が充実することがあげられます。
Q8.MTAに関してどのようなトラブルがあるのですか?
A8.内容を理解せずに、個人で契約してしまうと、資料の受領の際には、特定の研究以外の使用禁止、得られた成果?発明が提供者側に帰属、研究成果の発表の禁止、特許出願時の制約、提供側機関以外の機関との研究協力の制限等のトラブルが生じることがあります。 また、提供の際にも、知財の流出ないしは得られるべき対価の逸失、既に研究協力等を締結している他機関との契約内容に対する不利益の発生などのトラブルが生じることがあります。特に他機関から本学に転職する場合には、前所属機関との間で適切な手続きがなされない場合、過去に行ってきた研究をスムーズに継続できなくなる恐れがあります。
Q9.MTAを結ぶとき手続はどうしたらよいですか?
A9.研究のために第三者に研究材料(成果有体物)を提供する場合は、あらかじめ部局等の長に届出を行えば提供することができます(第三者が公的研究機関等である場合は、提供後の書面による報告で足ります)。ただし、原材料費及び輸送費等の直接的に発生する費用は、原則、第三者の負担とします。産学連携?知的財産センターでは、「 提供合意書面の作成例」(doc:57KB)を用意していますのでご参考としてください。
一方、産業上の利用を目的とする第三者に研究材料(成果有体物)を提供する場合、産学連携?知的財産センターにあらかじめ協議いただいた後、部局長の承認を得て、学長の承諾を得る必要があります。併せて、「研究材料提供契約」又は「研究材料売買契約」を締結する必要があります。契約締結のコーディネートなど行いますので、まずは産学連携?知的財産センターにご相談ください。(産業上の利用を目的としたMTAは、原則、直接費用を上回る対価を得られる場合に限ります。)
Q10.兼業先で生じた発明はどうなるのでしょうか。
その場合、大学研究者の持分はどちらに帰属するのでしょぅか?
A10.香川大学の職員としての勤務時間以外に兼業を行ったりした際に生じた研究成果は、本学の就業規則の適用範囲外であり職務発明規程においても想定しておらず、原則として発明者個人に帰属します。 ただし、兼業の内容が大学の研究と密接に関係する場合、兼業を行うにあたって大学の施設?設備等が使われていたりした場合には機関帰属の対象となり、本学の職務発明の範囲か否かの判断が必要ですので、本学の規程に準じて発明等届出書を提出くださるようお願いします。
Q11.微生物に係る特許出願に必要とされる「特許微生物寄託」とは何のことですか?
A11.微生物に係る発明については、出願書類(明細書)の記載のみでは発明の完成と技術の公開が十分に担保できない場合があります。 そこで、特許出願する際には、出願人はあらかじめ微生物を所定の機関に寄託し寄託機関が微生物に付した「受託証」の写しを添付しなければなりません。
参考:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(nite)ウェブサイト「特許微生物寄託」
このページの管理者:産学連携?知的財産センター