庵治マリンステーション
瀬戸内圏研究センター庵治マリンステーションは、四国最北端である庵治半島の先端(高松市庵治町鎌野)に位置します。周辺には砂浜や岩場などが多く見られ、自然環境に恵まれています。
調査船「カラヌスⅢ」(19トン)および「ノープリウスⅡ」(1.1トン)を配備し、香川大学における海洋教育?研究の前線基地となっています。
本施設では主に、調査船での海洋観測や調査、あるいは施設の各種分析機器で分析や実験を行っています。施設には研究用機器として、各種海洋観測機器および栄養塩、全窒素?リンなどの自動分析装置が備えられ、海の富栄養化、貧酸素水塊、養殖漁場環境、あるいは干潟域の環境等の研究を行っています。また、農学部、創造工学部、教育学部の臨海実習等にも活用されています。
調査船「カラヌスⅢ」
調査船「カラヌスⅢ」とその主要目
調査船「カラヌスⅢ」の主な搭載機器
1.CTDマルチボトル?サンプラー
水温、塩分等の鉛直測定などを行うためのCTDセンサーを金属製の枠内に固定し、その金属枠のまわりに採水器をとりつけたものです。採水器は船上から電気信号を送ることにより任意の深さで採水器のふたを閉めることができます。水温?塩分?植物プランクトンの光合成色素量等の鉛直分布を見ながら、同時に採水もできる装置です。
2.航行連続観測装置(表層海水連続モニター)
航走しながら船底より海水を汲み上げ、その水質を連続的に観測する装置です。本装置は以下の機器により構成されています。
?GPS(Global Positioning System)
?多項目水質モニター
?栄養塩自動分析装置
?フィールド蛍光光度計
以上の機器により、航走しながら表層水の採取位置(緯度?経度)、水温、塩分、溶存酸素濃度、栄養塩(窒素やリン)濃度、植物プランクトンの光合成色素(クロロフィル)量等が測定できます。
3.超音波ドップラー流速プロファイラー(ADCP)
一般的には、ADCP、あるいはドップラー流速計と呼ばれています。航走しながら、海水の流向?流速が測定できます。この装置では船底の送受波器から下方に向けて音波が発射されていますが、海中にはプランクトンなどの微粒子があるので反射音の周波数は発射音の周波数からずれることになります(ドップラー効果)。このずれから海水の動きの方向?速度の鉛直分布が求められます。
4.サイドスキャンソナー(海底地形探索装置)
海底の地形情報を収集するのに用いる装置です。船尾よりミサイル型の水中曳航器を曳航しながら航走して測定します。水中曳航器から海中に音波を発射し、海底から反射してくるエコーの強弱を計測して、海底の起伏状況、底質を画像化する装置です。このサイドスキャンソナーとGPSデータを使用することにより、精度の高い海底地形図を作製できます。
5.高度情報発信システム
本学には高解像度気象衛星受信システムが備わっており、調査船上においてもこの情報が受信でき、同時に陸上との通信も可能です。本システムを利用し、ステーションのパラボナアンテナで米国の海洋衛星「NOAA」のデータを集め、このデータから海面の温度や海色の情報を得て観測に利用しています。このシステムで赤潮の発生等の貴重な情報を取得し、リアルタイムで農学部のサーバーから情報発信することも可能です。
調査船「ノープリウスⅡ」
調査船「ノープリウスⅡ」とその主要目
調査船「ノープリウスⅡ」の主な搭載機器
1.GPSプロッタ魚群探知機(GP-3500F)
GPSプロッタ魚群探知機は、観測定点の位置登録や水深の計測に使用します。また、計測データをパソコンに出力できる機能が備わっており、GPSと水深データから、観測海域の水深マップを作成します。
2.多項目水質モニター(6600V2-2)
多項目水質モニターは、航行中に船底から汲み上げた表層海水の水質(水温、電導度、塩分、溶存酸素、クロロフィル蛍光)を連続観測し、接続したパソコンにデータを記録します。これより得られた水質データと、GPSプロッタで得られた位置データを併用し、観測海域の水質マップを作成します。
庵治マリンステーション連絡先
〒761-0130 香川県高松市庵治町高砂4511番地15
香川大学 瀬戸内圏研究センター 庵治マリンステーション
TEL?FAX : 087-871-3001
庵治マリンステーションパンフレット
このページの管理者:学術部研究協力課