末永慶寛教授(創造工学部 教授、創造工学部長、創発科学研究科長)が、第16回 海洋立国推進功労者表彰 (内閣総理大臣賞)、「海洋に関する顕著な功績」分野の「海洋に関する科学技術振興」部門を受賞しました。末永教授は、8月29日に総理官邸大ホールで行われた表彰式に出席し、表彰状及びメダルを授与され、9月1日には、学長に受賞の報告を行いました。
海洋立国推進功労者表彰は文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省が内閣府総合海洋政策推進事務局の協力を得て平成20年度より実施しており、科学技術、水産、海事、環境など海洋に関する幅広い分野における普及啓発、学術?研究、産業振興等において顕著な功績を挙げた個人?団体を対象として表彰されるものです。末永教授のこれまでの功績が高く評価され、被表彰者として決定されました。
功績の概要は、以下の通りです。
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自然エネルギー(潮流)を利用した水産資源生産力向上技術の開発
末永教授は自然エネルギー(潮流)の利用に着目し、従来にない流動制御機能を有する水産資源増殖構造物の開発を行い、海域環境改善、水産資源生産力向上に資する技術開発を行ってきました。
1. 海域特性に応じた構造物設置適地選定および水産資源生産力の増強を可能とし、産副産物の材料特性に着目したリサイクル技術、環境負荷低減および海域環境改善技術としての有効性も検証したことに加えて、流動制御機能とその影響範囲の定量的評価と実海域における環境改善および生物増殖機能も検証し、多くの事業化に繋げました。
2. これまで不明な点の多かった人工魚礁の効果の定量化および設置適地選定について、水理実験、数値シミュレーションモデルの構築、AI による判別システム導入および実海域での生物効果、環境改善に関する実験を経て実証し、海洋に関する学術論文、特許取得、表彰実績を重ねています。本成果は、震災海域での漁業振興にも貢献しています。
3. 人工魚礁に着脱可能な海藻増殖基質を設けることにより、母藻を傷付けることなく容易に他の構造物へ移設可能としたことで、安定した藻場造成および餌場環境形成の実現に伴うカーボンニュートラルへの貢献度が高い技術開発を行いました(SDGs 7, 9, 13, 14)。
4. 成果は、農林水産省、経済産業省、国土交通省等の国家プロジェクトを含む水産基盤整備事業をはじめ、中小企業?地場産業において実際に利活用され、着実に事業採用実績を挙げており、今もなお海域環境改善を含む地場産業?経済の発展に寄与しています。
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第16回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰について
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2023/1420210_00002.htm
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