2017年02月21日
香川大学工学部の山口堅三助教、須崎嘉文教授、田中康弘教授と森智博さん(大学院工学研究科博士後期課程3 年)と、和歌山県工業技術センターの森岳志博士の研究グループによる「単結晶金属薄膜の転写技術とナノ光学における高性能化」の研究成果が、英国のNature系電子ジャーナル「Scientific Reports」(http://www.nature.com/srep/)に掲載されました。
Fabrication of single-crystalline plasmonic nanostructures on transparent and flexible amorphous substrates
(透明フレキシブル基板上への単結晶金属微細構造の作製)
従来の技術で作られる金属薄膜は多結晶構造であるため、ナノサイズの光デバイスに用いるには品質が良くありませんでした。山口助教らのグループは、多結晶よりも品質の良い、単結晶金属薄膜の成膜方法について、食塩(NaCl)の単結晶に着目して研究を行いました。その結果、水溶性のNaClを基板にして単結晶金属薄膜を成長させた後、基板を溶かすことによって、単結晶金属薄膜を別の基板に転写することに成功し、基板と薄膜の組み合わせを自由自在にする技術を確立しました。さらに、結晶性のない基板(ガラスやペットフィルム)にも単結晶金属薄膜を組み合わせることに成功しました。これらの技術により、単結晶金属薄膜の応用研究が加速され、将来的にはコンピュータやネットワーク機器のさらなる進化が期待されます。
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