2015年09月29日
高尾英邦教授(工学部 知能機械システム工学科/微細構造デバイス統合研究センター長)が提案したチーム型研究課題が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の平成27年度戦略的創造研究推進事業「CREST(クレスト)」に採択されました。
高尾教授が提案した研究課題は、「繊細な触覚を定量的に検知する『ナノ触覚神経網』の開発と各種の手触り感計測技術への応用」です。「人間の指先」が持つ繊細な触感覚をセンサ技術で再現する「ナノ触覚神経網」を実現して、「ザラザラ」や「ふんわり」などの手触り感を数値化できる新しい計測技術の開発に取り組みます。この技術の応用先としては、人間の肌や髪の毛の状態が分かる手触り感の計測、素材の高級度合いを数値化する技術への応用、医師の指先に代わる感覚機能を備える先端医療機器への応用などが期待されます。
「CREST」は、国が定める戦略目標の達成に向けて、課題達成型基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す革新的技術シーズを創出するためのチーム型研究です。今回の提案は、触覚センサ?デバイス技術を開発する高尾教授が研究代表者となり、超低消費電力型集積回路技術の第一人者である有本和民教授(岡山県立大学 教授)が主たる共同研究者となっています。研究期間は、平成27年10月~平成33年3月の5年半で、香川大学工学部、岡山県立大学情報工学部、香川大学医学部の研究者で構成される総勢14名の研究チームにより、繊細な人間の指先に迫る高度な触覚能力を実現する革新的情報処理基盤技術の創成を目指して研究を推進します。
平成27年度研究提案募集(第1期)として、「CREST」の9研究領域において募集が行われ、産学官各界の研究者から373件の応募があり、書類選考と面接選考を経て34件の研究課題とその研究代表者?研究者が採択されました。今回採択された研究領域は「素材?デバイスシテム融合による革新的ナノエレクトロニクスの創成:研究総括 桜井貴康(東京大学 教授)、副研究総括 横山直樹((株)富士通研究所 フェロー)」です。本領域は、文部科学省の選定した戦略目標「情報デバイスの超低消費電力化や多機能化の実現に向けた、素材技術?デバイス技術?ナノシステム最適化技術等の融合による革新的基盤技術の創成」のもとに、平成25年度に発足しています。今回、応募された22件の研究提案の中から、4件の新規課題が本領域で「CREST」に採択されています。
?独立行政法人科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業とCRESTの概要
http://www.jst.go.jp/kisoken/index.html
http://www.senryaku.jst.go.jp/teian/top/gaiyo.html
?独立行政法人科学技術振興機構(JST)プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1128/index.html
?平成27年度CREST(第一期)採択課題一覧
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/news/2015/150918/150918crest.pdf