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小林正幸/安全システム建設工学科3年

今回私は9月19日~9月25日にかけて協定校訪問プログラムでネパールへ行った。私自身、初めての海外であったので、多少の不安を持ちつつも、英語を使うという環境に身をおけることに楽しみであった。ネパールへの往路でグループ行動という責任感を欠きミスを起こしてしまったが、今後の行動に対して責任感を持とうと思った。

●1日目

カトマンズ空港で早速、日本と違う点を感じた。まず驚いたのがトイレの水が流れなかったことで、ネパールに来たんだなと身をもって感じた。さらに飛行場での滑走路にはいくつもの飛行機が散乱しており、離陸直前には飛行機の下で雨宿りをしている係員を見つけ、日本では見られない光景だと思った。

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離陸直前の滑走路

ポカラに着くと半袖では肌寒く感じ、緯度の低いネパールの標高が高い所に来たことを実感した。ポカラは観光地として有名であり比較的整備された町で、きれいな湖と山に囲まれた場所であった。しかし、郊外での一般的な民家の建て方として、柱は鉄筋コンクリートで壁がレンガという危ない構造であり、日本では見られない家が数々あった。この日の夜はホテル近くのレストランでRanjanさんと、Kadoorie Agricultural Aid Association(KAAA BGN)に所属する地質工学専門のNarayanさんとトリブバン大学ポカラキャンパス土木学科長のKishorさんと夕食を共にした。ネパールの文化としてダンスがいたるところで見ることができ、Kishorさんのはからいで私たちも一緒にダンスをし、私たちの横で食事をしていた外国人たちと交流を深めることが出来た。その人たちとのお別れの時に、抱き合い"Thank you、 my friends"という言葉に感動した。

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ダンス後の交流の様子

●2日目

朝、サランコットへ登るとヒマラヤは見えなかったが、氷河や川などによって出来た河岸段丘を見た。白色という意味であるサティ川は、雨季により流量が増え濁っていた。その後、サティ川の川原に降り、土砂崩れによって落ちてきた岩石や、上流から流されてきた地質を調査した。川原には多くの労働者がいて多くの穴が掘られていた。これは建設に使う細骨材を採っていて、集めては段丘の上へと自力で運んでいた。昔は日本の川でもこのような情景があったと知り驚いた。

ポカラの中心街ではバイクや自動車、人などで混雑していた。道路には中心線が無く遅い車を後ろから抜かして行きとても危ないと感じる状況であった。また、信号機は2機しかないことに加え、点灯していなかった。

午後、トリブバン大学Western region Campusを訪問し、キャンパス長室で各自自己紹介を行った後、場所を移し簡単な香川大学の紹介をした。そのあとトリブバン大学の学生の引率で学内見学を行った。実験器具をみると私たちが使用した器具と同じであったのでネパールでも同じことを学んでいることを知った。またWestern region Campusは香川大学との協定校を結んでいるのと同様に韓国の大学とも協定校を結んでおり、その施設をみることが出来た。その後、Interaction and paper presentation programの会場に移動し災害に着目した内容でのプレゼンテーションを聞いた。大学の学内見学と講演は、英語であったため全てを理解することは出来なかったので、英語を理解したいという思いが込み上げてきた。

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トリブバン大学工学部の実験器具

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教授陣による講演会

●3日目

朝、ポカラからカトマンズへ車で移動した。その途中、2日間雨で見られなかったヒマラヤをみることが出来た。ネパールの代名詞というべき幻想的な景色を見ることができ感動した。

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マチャピュチュレ

ポカラからカトマンズへ行く途中は棚田や田んぼが景色いっぱいに広がっており、日本の50年前を思わせるような風景の連続であった。トリスリ川にはサスペンションとサスペンデットで出来たつり橋がいくつか架かっており、構造の違いを説明してもらい理解した。実際にサスペンデット構造のつり橋を渡ってみると比較的新しい橋であり、ワイヤーは横風に対応できるようにねじられていることが分かった。その後、7年前に起きた土砂崩れ現場を見た。環境にいい植生による対策工事が施されており、土砂崩れ現場とは思えないほど整備されていたが、実際に植生による対策は植物の根が深くなるまでに時間がかかるので難しいことを学んだ。

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棚田の様子

カトマンズに着くと、車やバイクの通行量が急激に増えたが、街中の信号は動いておらず警察官が交通整理を行っていた。なぜ信号があるのに動かさないのかという疑問に、「1つだけ動いても意味がない。日本はすべての信号を連動させ、通行量や時間に応じて管理している。」と聞き、日本の道路整備がどれだけ進んでいるかを実感した。

●4日目

朝、パタンのダルバール広場を訪れ、石造りのクリシュナ寺院などを見学した。そこには200、300年前にレンガを使った建造物があり、いくつもの地震に耐えて建っていることに当時の技術力の高さを考えさせられた。また当時のコンクリートには黒大豆が使われていたことを知った。

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ダルバール広場

その後Pulchowkにあるトリブバン大学の工学院を訪問した。工学院では学生同士による研究の意見交換を行い、交流を深めた。緊張したが良い経験ができたと思う一方で、研究したことを発表できるような機会を今後持ちたいと思った。

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学生同士の交流の様子

トリブバン大学の工学院生が構造についての研究を発表した時に、壁も鉄筋コンクリートにすることで大きな地震にも耐えうる建物ができるのではないかということを告げてみると、それは分かっているが費用がかかるから出来ない、と言っていたことが印象に残っている。院内見学では敷地内にサスペンデットとサスペンションの構造について知るためのつり橋があった。夕食では国際交流センター長のKrishna Belbaseさんの横に座らせていただいたが、初歩レベルでの会話しかできなく、英語力の無さを実感させられたが、またしても民族舞踊で親しくなれることも実感した。

●協定校訪問を終えて

最初から最後まで英語の必要性を感じさせられ、自分の向上心を上げることができたと思う。さらに教授陣によるプレゼンテーションや一つひとつのコメントに、手に職をつければ海外に出ても通用できることを実感することができた。また今回の協定校訪問でお世話になったRanjanさんには大変感謝している。

 

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