今年の協定校訪問では、アメリカ合衆国オハイオ州に位置する、トレド大学を訪問した。今回が初めての海外旅行であるため、前日は緊張して眠ることができなかった。また、12時間というとても長いフライトで、あまり寝ることもできず、ずっと映画や景色を見てすごした。飛行機から見るロッキー山脈はとてもきれいで壮大であり、ここで初めて日本から出たという実感がわいた。やっとの思いで長いフライトが終わると、私の中では今回の旅行で一番の難関である入国審査がやってきた。待っている時間は心ここに非ずという状態だった。しかし、実際には審査官は外国人に慣れているためか、質問はとてもわかりやすい発音で簡単なもので、難なく通過できた。この日は長旅の疲れのせいか、ホテルにたどり着き夕食を食べ終えるとすぐに寝てしまった。
2日目はトレド大学に表敬訪問に行き、午前は工学部の案内、午後はキャンパスツアーに参加した。トレド大学工学部は、学生が主体になって研究をしており、企業と合同で研究をしていることもたくさんある。そのため学部内には企業の人たちとディスカッションするための部屋が設けてあり、また、卓球台が置いてあり企業の人たちと親睦を深める工夫があった。学生たちの研究室も広く、学生たちがつくったものがたくさんあり、創意工夫にあふれるものばかりだった。午後からは、学生たちが主体となって行われているキャンパスツアーに参加した。このツアーでは構内を歩きながらトレド大学の歴史や施設についての説明をしていただいた。ツアーを担当していたアレックス君はユーモアのある方でとても楽しくまわることができた。
3日目の午前はトレド美術館に、午後からはトレド大学で交流会が開かれた。 トレド美術館は建物自体が古代ギリシャの技術を用いたアート的建造物であることを松島教授から教えていただいた。建物内は一つの部屋ごとに広々とした空間になっており、作品をゆっくり、十分に楽しむことができるようになっていた。
午後からはトレド大学インターナショナルハウスで学生交流会が行われた。交流会に参加していた学生たちは日本に興味のある人がほとんどであった。そのため、日本の文化に詳しい人も多く、私が担当したたこ焼きでは、アメリカでは食べる習慣のないタコの代わりにウィンナーを使っていたが、タコで食べたいという人も多くいた。また、とてもフレンドリーな方が多く、一緒にたこ焼きを焼きながら、私のつたない英語でも会話をしてくださり、とても有意義な時間が過ごせた。
4日目はフォード博物館を訪れ、フォードの歴史や趣味などを知ることができた。自動車産業の発達において大きな改革を起こしたT-型フォードやライト兄弟の飛行機発明に関わる模型なども実際に見ることができた。この人たちの発明のおかげで現在の私たちの生活は便利になっていると考えると、感慨深いものがあった。
最終日はトレド大学で行われるフットボールの試合観戦をした。フットボールの試合の前にはTailgate Partyというものが開かれる。今回は工学部の学生たちが主催するパーティーに参加した。ここでは、学生たちとコーンホールやツイスターゲームなどのミニゲームをしたり、フットボールを使ってキャッチボールをしたりすることで交流を深めた。トレド大学にはプロの選手たちでも使えるような大きなフットボール場があり、アメリカでのフットボールがいかに人気スポーツであるか理解できた。初めて見るフットボールの迫力に驚きながらも、応援する楽しさも味わうことができた。
アメリカで過ごす毎日が新しいことの発見ばかりで、慣れない生活に戸惑いながらも充実感を感じることができた。今回の協定校訪問ではたくさんのことを学び、日本にいるだけでは知ることのできない世界がたくさんあると実感できた。不安なこともたくさんあったが、参加してよかったと思う。