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「DNA捕獲用ナノピンセットの開発について」
香川大学工学部では、平成14年11月26日(火)に、橋口 原 助教授(知能機械システム工学科造形工学講座)らがDNA捕獲用ナノピンセットを開発し、世界で初めて実際に溶液中からDNAを取り出すことに成功したことに関して記者会見を行いました。
この研究は、徳島大学薬学部馬場嘉信教授が研究代表者である地域新生コンソーシアム研究開発事業『ナノチャンネル電気泳動に基づく次世代生体高分子情報計測システムの開発』(四国経済産業局からの委託事業)の中で馬場嘉信教授及び東京大学生産技術研究所藤田博之教授と行った共同研究の成果です。
橋口助教授らは半導体微細加工を応用したマイクロマシーニング技術で、先端の曲率半径が10ナノメートル以下の対向したシリコンプローブを工業的に量産できる製造プロセスを開発するとともに、その2つのプローブを閉じたり広げたりするためのマイクロアクチュエータを一体化したデバイスを開発しました。さらに、開発したデバイスを利用して実際にDNAを誘電捕獲する実験を行い、プローブ間のみにDNAを伸張して溶液中から再現性よく取り出すことに成功しました。
本発明によって、捕獲したDNAを他の溶液に移し変えたり、DNAをアクチュエータで伸張したり縮めたりすることができることから、DNA分子に機械的な力を加えながらプローブを電極として電気測定をするという従来にない全く新しい測定ができるようになります。
今回開発したDNA捕獲用ナノピンセットは、DNAの新しい研究ツールを提供するものであり、次世代エレクトロニクスやバイオの革新的技術創生に大きく貢献できる可能性を秘めているものといえます。
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2006.4.8更新 |