信頼性情報システム工学専攻2年 増井亮太
私は9月初旬から12月中旬までの約4ヶ月間、フィンランドのロバニエミ応用科学大学 (RAMK)で国際インターンシップに参加しました。ロバニエミ応用科学大学はロバニエミの街に3つのキャンパスを持つ大学で、交換留学生に対しては6つのコースが開講されています。私は交換留学生のITコースを選択し、Rantavitikka campus にあるP-Labに所属して、Veikko先生の指導のもと研究を行いました。
研究テーマは光学機器を用いたオーロラ検出です。オーロラの予報は、今までは衛星で観測された地球の磁力強度で判断していました。オーロラは太陽からの太陽風によって引き起こされます。太陽風が地球まで到達すると、地球の磁場に変化が生じます。この変化量をオーロラの予報に利用していました。しかし、磁気の変化と実際のオーロラの変化には誤差が生じます。いままでの予報では肉眼で観測できる保証はありませんでした。そこで、光学機器を用いたオーロラの検出を研究テーマとしました。これまでに光学機器を使った研究をしたことが無く、手探りでの研究となりましたが、実際に稼働するシステムを無事に組むことができました。
実際に自分のコンパクトカメラで撮影したもの
ロバニエミはフィンランドの中間部に位置する人口6万人ほどの小さな街です。フィンランドの国土は日本より少し小さく、森林や湖が国土の至るところにあります。人口は約600万人で南の地方に集中しています。気温はとても寒く、9月で10度前後、11月には雪が積もります。私が帰国した12月には氷点下20度を記録していました。1月、2月になると気温は氷点下40度に達することもあり、川や湖は完全に凍りつき、その上をスノーモービルが走るようになります。これほどの気温ですが、建物内はとても暖かかったです。二重扉はもちろん、お湯を常に循環させているセントラルヒーティングによって、室内は20度ほどでとても過ごしやすかったです。
9月頃のロバニエミの町並み
12月頃のロバニエミ応用工科大学
ロバニエミは交換留学に力を入れており、ラプランド大学、ロバニエミ応用工科大学には併せて500人ほどの留学生がいます。留学生達はアパートを借り、フィンランドで生活を行います。私が借りたアパートは、3つの部屋があり、1部屋に2人で住むシェアルームタイプでした。シェアルームに住むことは初めてだったので、最初はとても困惑しました。自分の部屋が無いということは、プライベートな時間を持つことができません。今までは一人暮らしをしていたので、一人でいる時間が当たり前にありました。とても不安でしたが、実際に生活してみると全く問題がありませんでした。一緒にシェアする仲間とコミュニケーションをとることを忘れずに、自分の考え、思いを伝えれば特に不満も無く生活出来ました。ダイニングやバスルームを6人でシェアするので、皆と協力しなければ快適な生活は行えません。部屋に入るときは靴を脱ぐ、定期的に掃除をするなど決まりを皆で決めて、快適な生活が出来るようにしました。
シェアルーム
インターンシップ終えて学んだことは、コミュニケーションを積極的にする大切さと、英語はその道具であることです。コミュニケーションは共同生活をする上で必須でした。皆自分の考えや希望は積極的に提案し、他人に任せた人はいませんでした。自分の事は自分で行う、自分でコミュニケーションをとる、当たり前のことではありますが、改めて大切なことだと学びました。またコミュニケーションを行う時に使う道具、英語は本当に便利だと改めて思いました。実際に英語を使うまでは、発音や文法に自信が無く、とても不安でしたし、使いたくないと思っていました。ですが周りの人達は、私の発音や文法を全く気にしないで、理解しようと努めてくれました。必要以上に英語の形を気にしていたことを反省し、これからは英語を道具として考え、積極的に使おうと考えています。
このインターンシップを通して貴重な経験を得ることができました。気の合う仲間も増えました。本当に参加してよかったと思っています。今後も香川大学の国際インターンシップを利用する学生が、同じように有意義な経験が出来るように願っています。
バーにて気の合う仲間とともに